魔法学校たんぽぽ教室で、魔女よねごんは暮らしています。可愛い1年生との日々をみなさんにおわけします。


by yonegon_gon

今年最後の日記

昨今は、ごくせんとか金八先生とか女王のいる教室とか
先生ものが人気を呼んでいる。
古くは、熱中時代、アリよさらば・・・知ってるかな?若い人たちは。

特定の職業を題材にしたドラマは、
その仕事に携わっている人たちから、批判されることが多い。
現場はあんなじゃないよ、リアルさが足りないって。
先生ものも、おおむねそんな感じのが多いんだけど、
最近はリアルさをこえて、大事なものを見せてくれるドラマが多く、いいなって思う。

ただ、先生もののドラマにほぼ共通するのは、先生が主役でヒーローだってとこ。
この先生がいて、こうなった。この先生だから、こうできた。

でも、現実はそうじゃないことが多い。
ここのブログに来てくれる方々の中にも、先生が嫌いだったり、
学校が好きじゃなかった人がけっこういる。

先生なんて、まあ、ふつーのおっさんやおばさんで、
決して、やんくみみたいに強くてきれいでかっこいいわけでもないし、
女王さまのように、クールでタフでもない。
ましてや金八さんのように理屈っぽいおじさんだったら、現実だと殴られておしまいだろう。
(金八さんファンの方、すみません)

私自身、長い長い間、先生やってきたけれど、今にして思えば、
結局は子どもたちと出会って、自分が成長してきたってこと。
子どもたちには申し訳ないが、
よねごんはヒーローじゃなかったし、半端な大人だったから、
すったもんだして過ごす学校生活の中で、
子どもたちに教えたことよりも、教えられたことのほうが数倍多かった。
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もう時効なので、書いてもいいかと思う。
(でも、登場人物は匿名にします。)

何年前になるかな。5年生のクラスだった。
この学年は、4年生の時、いわゆる学級崩壊でぐちゃぐちゃになり、
教室に入らない子、あばれる子、不登校になる子、実にすごい学年だった。
3月の末、担任を決める時、なかなか担任を希望する先生がいなかった。
普通の学校は、誰がどのクラスを持つか、校長先生が決めるんだけど、
この学校は、先生たちが話し合って決める。
半分居眠りしながらこの会議に参加していたよねごんは、
はっと気がつくと、この5年生の担任になっていた。

4月、少し緊張してよねごんは5年生のクラスのドアをあけた。
「おはよう!よねごんでっす。これから一年、よろしくお願いします。」

しーんとした教室。顔を上げると、子どもたちがじっと私を見ている。
誰も何も言わず、じっと。
そのときの子どもたちの目は、今でも忘れられない。
何の希望もない、何も信じない、大人なんて嘘ばかりだと
大げさに聞こえるかもしれないがそんな目をしていた。

私は背筋に冷たいものが走るのを覚えた。
ほんとに、今まで先生をしてきて初めての経験だった。
これは、半端じゃないな。

次の日から、5年生との生活が始まった。
何を聞いても、何を言っても、ほとんど反応がない。
答えを求めると、みんな黙って二人の男の子の顔色を見る。
たけしとまさるの二人の顔を。
たけしとまさるは、勇んで手を挙げ適当な答えを言う。
その繰り返し。

遊び時間、誰もたけしとまさるに逆らう者はいない。
おんぶしろと命令したら、言うことをきく。
何か持って来いと言えば、誰かが走って持ってくる。

言い方は悪いが、まるでクラスがヤクザの集団のようだった。
トップにいるたけしとまさる、その下に子分、さらに下へ下へとつながっている。
一番下に位置する子どもたちは、上の子どもたちから言いたい放題、好き放題。

なんなんだ?この子たちは?

一ヶ月ほどたったある日、子どもたちにお願いした。
「4年生の時あったことを書いてくれる?
本当のことを正直に。
その書いたことで、何か言ったり、誰かを叱ったりしない。
その書いた紙を、絶対誰にも見せない。
約束する。よねごんを信じてください。お願いします。」

私を信じてくれたのかどうかはわからない。
でも、子どもたちは書いてくれた。
そして、その紙を読んだ時、子どもたちの目の意味がわかった。

いじめ、暴力、大人への不信。
ありとあらゆる辛い経験を、この子たちは4年生でしていたのだ。
それは、信じられないくらい辛い事実だった。

この子たちの前では、長い先生の経験も大人としての理屈も何の役にもたたない。
そんなものは、いらない。
ありのままの自分、弱いところもダメなところも、みんな隠さずそのままの自分、
それをそのまま正直に子どもたちにぶつけるしかない、そんな気がした。

まあ、そんなわけで5年生との1年を過ごしました。
実に色々あったけど、この子たちが教えてくれたこと

立場や年齢や経験なんて関係ない。
まず自分が信じなければ、信じてはもらえない。
まず自分が自分を見せなければ、相手を見ることはできない。

先生という仕事は、裏切られてなんぼの商売。
約束をいくつ破られようと、嘘をいくつつかれようと、信じた者の勝ち!
人を信じるということは、自分を信じるということなんだと。

本当にたくさんの大事なことを、この子たちから教わった。
具体的なことを書けないのが残念だけど。

すてきな子たちと出会って、よねごんが一回り成長できた思い出でした。

長い日記、最後まで読んでくださった方ありがとう。

よいお年をお迎えくださいまし。
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by yonegon_gon | 2005-12-31 13:00 | 魔法学校