魔法学校たんぽぽ教室で、魔女よねごんは暮らしています。可愛い1年生との日々をみなさんにおわけします。


by yonegon_gon

音楽といふもの・パート2

さて、音楽専科は2年やった。
その2年間のうちで一番苦しくて楽しかったのが、校内音楽会。
低学年は学年で、3年生以上はクラス単位で、合奏、合唱を1曲ずつ発表する。
2学期は、運動会の練習が始まるころ、
音楽の授業ではもう、この音楽会にむけての練習が始まる。
音楽会は、だいたい11月始め頃だから、ほぼ2ヶ月近く練習することになる。
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楽譜をわたしたばかりの子どもたちの演奏は、なかなかすごい。
太鼓も木琴も、鉄琴もオルガンもアコーディオンも、
とにかく音楽室にあるありとあらゆる楽器が、音楽とはほど遠い、
騒音としかいいようのない音を、最大のボリュームで奏でるのである。
自分の出している音が聞こえないものだから、
とにかくみんな、ff(フォルティッシモ) どころか、
fff(実際こんな記号はない。これは、藤子・F・不二雄のことらしいです。)ぐらいの音量になる。
しかも、それが毎日、月曜から金曜までほぼ毎日5時間続くことを想像してください。
はじめの1週間、私はトイレに行っていても、職員室でぼーっとしていても、
頭の中でその騒音が絶え間なく鳴り響いていた。

チャイムが鳴り終わって、教室から子どもたちが出て行ったその後の一瞬の静けさが、
どんなに安らぎに思えたか。



ところが、子どもたちはそんな私の苦痛とは裏腹に、合奏が大好きだった。
楽器を鳴らすのが大好きだった。
3年生以上の400人弱の子どもたちとやったのだが、
楽器を鳴らすのが大嫌いという子は一人もいなかった。

完璧に弾くことを強要されたら、合奏なんてもういやだ!になるかもしれないが、
私の場合、
ティンパニに音階があるなんて知らなかった・・・と言ってる先生だから、
「かんぺき」なんてほど遠い。
ゆえにお子さまたちは、先生に怒鳴られることも、練習が足りないとしごかれることもなく、
実にのびのびと自由に楽器を使えたわけで。
まあ、そのおかげで学校中に騒音をまき散らしたのだが・・。

しかし、である。
楽譜があまり読めない子も、リコーダーのどこがドでミかうろ覚えの子も、
みんな、とにかく時間さえあれば、ある程度まで演奏できるようになる。
短時間で仕上げようと思ったりすると、こっちもイライラして
「音楽」じゃなく「音が苦」になってしまうが、
気分的に余裕があれば、ぼちぼちやっていくうちに
騒音が騒音でなくなってくる日が必ずやってくる。
だいたい2週間ぐらいで、子どもたちは楽器がわめき散らす状況を脱した。
それからは、とても楽しい毎日だった。

それと、1学期の歌や鑑賞の授業では、
なかなか元気で集中していただくのに苦労したクラスほど、
合奏には集中力があって、出来上がりも早かった。
パワーを使う目的がはっきりしたら、子どもたちはすごい力を発揮するものだ。
で、そんなクラスで指揮をするのは、これまた楽しい。
しっかりと私の指揮棒にあわせてくれる。
これは、最高にうれしかった。

ゆっくり振ると、その通りゆっくり、少しずつ速く振ると、その通り少しずつ速く、
おもいっきり速くすると、おもいっきり速く、ぴったりと指揮についてきてくれる。

1曲の演奏が終わる間に、
はやく~ゆっくり~ちょーはやくぅ~ゆっくり~と
テンポを色々かえて一人喜んでいたら、演奏が終わった後、
たまりかねた鉄琴奏者のさとしくんが手をあげた。

「よねごん。」
「はい、なんでしょう?さとしくん。」
「あの、おれたち、おもちゃじゃないんだけど。」
「あ・・あははっは、ごめんごめん。
あんまり楽しかったもんだから、ついつい・・・
ごめんなさい。もうしません。」
ひたすら謝りました。はっは・・^^;

ほんと、子どもたちには、指揮者の醍醐味を味あわせてもらった。

私の手が指揮棒をあげると、一瞬の静寂と緊張が音楽室をつつむ。
さっと、指揮棒が揺れると演奏が始まる。
極めつけはラスト。
振り上げた手をパッと閉じると、楽器の音が一瞬にして止まる。
演奏している間、指揮を見る余裕のない子でも、
最後が近づくと指揮に目をちらちらやる。

クライマックス。♪じゃああん♪ ピタッ!

この一瞬、ことりとも音をたてる子はいない。
「静かに!しいずうかあにいい!」と十回くらい叫んでも静まらなかったお子たちが、
私の手がぱっと閉じるだけで、し~んとなるのである。
これは、ちょー独裁者的な快感だった。

ということで音楽会の練習は、子どもたちのためというよりは、
よねごんの快感のためにやったようなものでした。ほほほ・・・
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by yonegon_gon | 2006-01-05 23:48 | 魔法学校