魔法学校たんぽぽ教室で、魔女よねごんは暮らしています。可愛い1年生との日々をみなさんにおわけします。


by yonegon_gon

国際理解教育

a0042798_204226.jpg

国際理解教育ってのを
文部科学省が言い出してからどれくらいになるかな。
総合学習をやれと言われたときよりは、
ましだったかもしれない。
総合学習をやんなさいと言われた時は、現場は大変だった。
何がなにやらわからず、先生たちは自腹を切って
高い本を買いあさったものだ。
で、結局その総合学習、
今やお国はもうやらなくていいと言い出しているんだが・・・

さて、本校でも何年か前から、この国際理解教育なるものをはじめた。
3年生以上の子どもたちが、学期に2回ほど、
先生に来てもらって英語を学ぶ。
今年から、これを低学年でもやることになり、
こないだ1年生がその授業を受けた。

先生は、南米で6年暮らしたという女の人。
元気いっぱいの楽しい授業だった。
子どもたちは、牛や犬や猫の鳴き声を英語で叫びまくっていた。
「ばうばう!おぃんくおぃんく!みゃおみゃお」だったかな^^;

で、その先生が大型絵本で見せてくれた動物の中に、
カブトムシの絵があった。
でも、それは子どもたちが見慣れた
あのかっこいいカブトムシとはほど遠く、
まるでテントウムシの茶色いのって感じだった。

子どもたちの失望は、声にはならかったけれど
よねごんにはよく理解できた。
そしたら、先生はそれを知ってか知らないでか、
やおら大きな標本みたいなのを取り出した。
それは、コロンビアに生息するネプチューンオオカブトムシ。
10㎝くらいのおっきいの。

子どもたちから歓声が上がった。
「ネプチューンだ!」さすが、よく知っている。
先生はにこにこしながら言った。
「そう、よく知っているねぇ。これは、まだ小さいほうだよ。
もっと、大きいのがいます。」

すると、たっちゃんがすかさず言った。
「152㎝くらいあるんだよ!」
そ・・・それは、ないでしょ^^;そんなにでかかったら、あんた、
キングコングの映画に出演できるぞ。
と、わたしは思わずつぶやいたけれど、
先生は「15㎝くらいだよ。」とさらりと流して終わった。

さて、よねごんの頭から152㎝のカブトムシがはなれないまま
国語の時間になった。





漢字ドリルを真っ先に仕上げたたっちゃんは、
いつもならその後、早く終わった友だちと遊んじゃって
先生に注意されたりしているのに、
あのカブトムシがきいたのかそうでないのか、
机に座ると、やおら国語の本を開いて読み始めた。

たっちゃんは私の前の席。
おお、今日はたっちゃんえらいじゃないの。
私はそのたっちゃんの背中をぼーっと眺めていた。

読んでいるのは「じゃんけん」という説明文。

「じゃんけん、ぽん。あいこでしょ。
じゃんけんをするとき、グー、チョキ、パーのどれかを出します。
どれを出しても、かったり まけたりします。どうしてでしょう。
グーは 石をあらわしています。チョキははさみ、パーは かみをあらわしています。
グーは、チョキにかちます。石は、はさみでは切れません。・・・」

たっちゃんは、この文を、まるでラマ教の僧侶のように、
ものすごいスピードで抑揚もほとんどなく息もつがずに一気に読みきり、
頬杖ついてぼーっとそれを聞いていた私が見えていたかのように、
ぱっと振り返ると、私のねむそうな目をはしっ!と見つめて聞いたのだ。

「どう?」

ど・・どうって^^;

「あ・・・あ、いやいや、すごい。たっちゃん、なかなかたいしたもんだ。
まるでラマ教のおぼーさんみたいだ。」
とあわてた私がわけのわからんこと言ったのに、
彼は大変満足した顔で前をむき、
また、お経をはじめた。

それに気づいた担任の先生が、
並んでいる子どもたちのドリルの丸打ちの手をとめて、
「たっちゃん、えらいねえ。ちゃんと本読みしてるよ。」
と、みんなに言った。
たっちゃんの背筋は、ぴんと伸び、さらに声はでかくなった。

152㎝のカブトムシとたっちゃんのお経。
なんだか、今夜、夢に出てきそうだ。
[PR]
by yonegon_gon | 2006-01-19 20:06 | 魔法学校