魔法学校たんぽぽ教室で、魔女よねごんは暮らしています。可愛い1年生との日々をみなさんにおわけします。


by yonegon_gon

今日のできごと

沼地に沈んだ死体のような気分だ。
あたしのまわりの空気がよどんでいる。
それも、肩から上、頭蓋骨の周辺。
a0042798_21505024.gif

1年生では軽い風邪が流行っている。
よねごんの体調は、風邪なのか花粉なのかわからない状態。
口の中は、七味唐辛子を食べた後のように乾いている。

マスクをつけて校内をうろついているのだが、
最近のマスクは、仮面ライダーのマスクのように、
とんがった鳥のくちばし状なので、
子どもたちがおもしろがってくれる。

ついに「ライダーよねごん」と、りょうまくんが命名してくれた。
それに応えて「しゅわっち!」と構えるよねごんの姿は、
心なしか元気がない。






りょうまくんに依頼された「噴火する火山」の絵を
ぼーっとした頭を抱え描いていると、横にはるちゃんが来た。

「指に押しピンがささったの。」
「お。ああ?」
びっくりして、はるちゃんの差し出す指を見る。
押しピンは見あたらない。
最近、老眼が進んでいるとは言え、指に刺さった押しピンぐらいは見えるだろう。

「さっき、そこで鉛筆にささってたの。」
はるちゃんの左手には、先が割れた鉛筆が1本。

「はい、その鉛筆に押しピンがささっていたのですか。」
「うん、それで抜こうとしたら刺さったの。」
「なるほど、ちくっときたわけですね。」
「そうなの。」

よくよく見ると、小さな黒い点がありそうだった。
「消毒してもらいましょう。先生に。」
と、そこへ担任の先生がやってきた。

「押しピン、ささったの。」
はるちゃんが、先生に言った。
「どうして、押しピンなんかさわったの?今、何をする時ですか。」

今は、連絡帳を書いている時で、
前の席のはるちゃんがどうして一番後ろでいるのか、
先生は、ちょっと厳しい声で言った。

「鉛筆に刺さってたから、抜こうとしたの。」
はるちゃんは、半べそになって言った。
「鉛筆にどうして押しピンが刺さったの?」
先生が聞いた。私も聞きたかった。

「ともくんが・・・・。」
はるちゃんが言いかけると、ともくんがすっ飛んできた。
なぜか、その後からりょうまもすっ飛んできた。

「りょうま、りょうま、座っておかないと叱られるよ。」
小さい声で、りょうまに言うんだけど、りょうまは硬直したように先生を見つめて立っている。

「ともくんがしたの?鉛筆に押しピン。」
先生が、さらに厳しい声でともくんに聞いた。
ともくんは陸にあげられた魚のように、口をぱくぱくさせながら首をぶんぶん振った。

「じゃあ、誰なの?鉛筆に押しピンなんか刺したのは?」
「はい!」
バネ仕掛けの人形のように、りょうまの手があがった。

なるほど、だから飛んできたんだ、りょうまくん。

誰のかわからない鉛筆に押しピンを差し込んだ罪で、
りょうまくんは先生からおとがめを食らったけれど、
正直に言えたので、ほどほどで許してもらえた。

半べそのはるちゃんは、指を消毒してもらい一件落着。
ぱくぱくしてたともくんも、難を逃れた。

人生いろいろありますな。
今日も一日、お疲れさま。
[PR]
by yonegon_gon | 2006-03-10 22:18 | 魔法学校