魔法学校たんぽぽ教室で、魔女よねごんは暮らしています。可愛い1年生との日々をみなさんにおわけします。


by yonegon_gon

思い出 その3

ここに書いた子どもたちのことに
いっぱい共感してもらえると、幸せになる。
でも、よねごんは失敗もいっぱい重ねてきた。
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高学年を続けて持っていて、
久しぶりに1年生を担任した時のこと。

入学式が無事終了し、次の日から、
新1年生は部団の先輩たちと一緒に登校する。

ところが、みかちゃんはお母さんと一緒にやってきた。
しかも、昇降口で靴を履きかえながら泣いている。
大きな声ではなく、静かにしずかに泣いている。
お母さんの手を握って泣いている。

「教室に私と行こうか?」
おそるおそる、みかちゃんに聞いてみる。
いやって言われるかな・・・
でも、みかちゃんは泣きながら、うんと頷いた。

とりあえずほっとして、お母さんからみかちゃんをあずかり、
泣いている彼女の手をひいて教室へ。

教室に入ると、同じ幼稚園から来ている子が言った。
「あ、みかちゃん。」
「先生、みかちゃんいつも泣いてるんだよ。
幼稚園でも、何回も泣いてたよ。」

そうなんだ・・・
高学年の子どもたちとの生活になじんでしまっていた私は、
泣いているみかちゃんに、こう言った。
「みかちゃん、もう幼稚園じゃないのよ。
1年生になったんだから、泣いてないでちょっとがんばろうね。」

みかちゃんは、頷いたけれど、泣きやまなかった。
仕方がないので席に座らせて、ランドセルのなかみを片づける。
一日目は、2時間ほどで家に送っていく。
みかちゃんは、とうとうその間泣きやまなかった。

次の日、やはりみかちゃんはお母さんとやってきた。
そして、昨日と同じように泣いていた。
そのとき、おばかなよねごんはやっと気がついた。
みかちゃんの気持ちに。

みかちゃんの手をひいて教室に入る。
ランドセルは友だちに片づけてもらって
そのまま泣いているみかちゃんを抱っこする。

しっかりと抱きしめて、教卓に腰掛け、
子どもたちが提出した連絡帳に目を通す。
片手は、抱っこしているみかちゃんの背中。
片手で、一人ひとりに明日の連絡を書く。

ひくひくとすすり上げるみかちゃんの体を
赤ちゃんをあやすように、よしよしと抱きしめて。

30分か40分そうしていたら、みかちゃんのすすり泣きが小さくなった。
「みかちゃん、もう大丈夫?」
肩に顔をうずめているみかちゃんに聞いてみる。
「うん。」と小さく頷いてくれた。
みかちゃんの涙と鼻をティッシュでぬぐい、そっとおろす。
席に連れていって座ってもらう。
帰るまで、みかちゃんはもう泣かなかった。

次の日も、次の日も、みかちゃんは泣きながら来た。
毎日、抱っこして気の済むまで泣いてもらった。

やがて、5分、10分と、みかちゃんを抱っこしている時間は短くなった。
10日ほどたったころだろうか。
朝、お母さんと来たみかちゃんは、もう泣いてはいなかった。
次の日からは、部団のみんなと登校できるようになった。

1年生が終わるころには、
みかちゃんが泣く姿を見ることは、ほとんどなくなった。

泣くということは、どういうことなのか。
淋しさや不安、言葉にあらわせない様々な感情。
それが心にいっぱいにあふれて、涙になる。
泣いてはいけないと言われたら、
そのいっぱいあふれた気持ちはどこへ捨てればいい。

そんなことも考えず、みかちゃんに泣かないでと言ってしまったよねごん。
みかちゃんに、たいせつなことを教わりました。
ありがとう、そしてごめんなさい。

遠い昔の思い出です。
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by yonegon_gon | 2006-04-02 06:53 | 魔法学校