魔法学校たんぽぽ教室で、魔女よねごんは暮らしています。可愛い1年生との日々をみなさんにおわけします。


by yonegon_gon

カッターナイフ講習会

事の発端は、よしきだった。
給食を食べ終えて、たんぽぽに戻っていると、
よしきが入ってきた。

「よねごん、つまようじ持ってない?」

たんぽぽは、どらえもんのポケットだと思っている子どもたちは、
なんでもかんでも、たんぽぽにないかと聞きに来る。

「つ・・つまようじですか?うーん、あったかなぁ
でもまた、何に使うのですか?」

引き出しをごそごそ探しながら、聞くと、
「歯に何かつまってるんだけど、歯磨きしてもとれないの。」
なさけなさそうに、歯をしーしーやってよしきが言った。

引き出しをひっくり返していると、つまようじは出てこなかったが、割り箸が出てきた。

「仕方がないですねえ。これで、どうでしょう。」
よねごんが割り箸をにゅっとよしきに見せた。

「ど・・どうやって、おはしでとるのよ。」
よしきがぱくぱくしている。
「ふっふっふ。見ててください。よねごんは、魔女なのです。」

よしきの前で、よねごんがもちろん魔法をかけたわけではない。
取り出したのは、カッターナイフ。
紙をしいて、割り箸を割って、カッターナイフで削っていく。
目を丸くしているよしきの前で、つまようじというよりは、
竹串に近いものが完成。
「すごい!」という一言を残し、
よしきは、それをくわえて去って行った。

それで、終わるはずだった。

チャイムが鳴って昼休み、たっちゃんとよしきとたけるくんが
たんぽぽに飛び込んできた。
「よねごん、あれ、作りたい!作りたい!」
「あ・・あれって?何を?」
よしきがにっこり笑って、さっき作ったでかいつまようじを見せた。

「あー、カッターナイフですか。」
「うんうん、それそれ。させて~。」
何でもやってみたがりのたっちゃんが言う。
「仕方ないですねえ。でも、このカッターナイフは大変危険なものです。
約束をちゃんと守るなら、秘伝の技術を教えてしんぜよう。」
「守るまもる、まもるうう。」
ということで、カッターナイフの使い方講習会が
たんぽぽで開かれることになった。
ほんとは、やりたくなかった。

3人が、割り箸を片手によねごんの指導のもと、
カッターナイフでせっせせっせと削っていると、
来るわ来るわ、次々とやりたいやりたい!

たんぽぽの黒板には、予約がいっぱい。
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1・刃を出したまま、持ち歩かない。
2・刃の先に手を置かない。
3・出したゴミは、自分で始末する。
4・木を大切にするため、割り箸は一人1本だけ。
5・よねごんがいるときだけしか、できない。
5つの約束が申し渡された。

子どもたちは、真剣な表情で、
割り箸を削っていく。

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雨が降って外で遊べないということもあったが、
朝休み、中休み、昼休み、ここ三日間、毎日割り箸削りが続いた。
子どもたちは、削って削って、削り続けた。

さて、そんな中、ゆうたくんがうれしそうにやってきた。
「見て、よねごん。これ、作ったよ。」
見ると、あの割り箸が鉛筆に変身していた。

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              『えんぴつになってみたかった おはし』

すごいねえ、子どもたち。
よねごんの苦労が報われる一瞬でした。
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by yonegon_gon | 2006-06-23 20:58 | 魔法学校