魔法学校たんぽぽ教室で、魔女よねごんは暮らしています。可愛い1年生との日々をみなさんにおわけします。


by yonegon_gon

ロボット秘話

前々回くらいに書いた、子どもたちが図工の時間に箱で作ったロボット。
物置小屋のたんぽぽに、どさっと置かれていた。

ロボットを置いてから、休み時間になるとみずきちゃんがやってきて、
自分が作ったロボットの前で、「はぁ~」っと深いため息をつき、
そのまま去って行く。それが、何度か繰り返された。

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最初は、気にしていなかったのだが、
あまりにも何回も来ては、深いため息とともにロボットを見つめているので、
とうとうよねごんは、みずきちゃんに質問した。

「ロボットに恋でもしたのでしょうか?」

怪訝な顔で、みずきちゃんが振り返った。
「なに?」
「あ・・あ、いえいえ、いったいどうしてそんなにため息ばかりついてるんでしょうか?」

みずきちゃんは、可愛い顔を悲しそうにゆがめて言った。
「お手紙が来ないのよ。」
「て・・手紙ですか?ロボットから?」
「違うの、これは、ポストロボットなの。
ここに手紙を入れてくれると、そのお手紙を宛先まで届けるの。」
「なるほど、で、誰かがそのロボットに手紙を入れてくれるのを待っているというわけですね?」
「そうなの。でも、誰も入れてくれないの。」

「あーー、そういうわけですか。
でも、みずきちゃん、このたんぽぽでロボットたちを監視しているよねごんですら、
そのロボットにお手紙を入れるって気づかなかったのですから、
他のみなさんが、気づかないのも無理はありませぬ。
やっぱ、ほら、もっとコマーシャルしなきゃ。」

「うん・・・でも、もういいの。」

みずきちゃんは、元気なく教室に戻っていった。
その後ろ姿を見送ってから、よねごんは、
誰かが折り損ねた折り紙をためてある引き出しから、一枚紙を取り出した。

「ええっと、誰にしましょうかねえ。」
鉛筆を持ってしばし悩んでいるところへ、だいちゃんがやってきた。

「何やってるの。よねごん。」
「おーーだいちゃん、あなたにラブレターを書いているところです。」
「いらない。」
「そ、そんな冷たいこと言わないで。」
「ねえ、本当は何してるのよ?」
「ああ、実はですね。みずきちゃんのポストロボットに手紙が来ないので、
みずきちゃんが落ち込んでるから、手紙を書いていれようかと・・。」
「ぼくも、書く。」

だいちゃんは、紙を一枚ひったくり、さらさらっと何か書いて
みずきちゃんのポストロボットに入れた。
す・・・素早い^^;

というわけで、よねごんから二通、だいちゃんから一通、ポストロボットに手紙が入り、
昼休みに見に来たみずきちゃんは、大喜びだった。




a0042798_1952472.jpgその後、つかくんがやってきた。
「よねごん、これ記念にとっておいて。」
「はいはい、なんざんしょ。」
←見ると、つかくんの手にはこれが握られていた。

「こ・・これは、貴重な・・・って、これ、何ですか?」

「ぼくのロボット、でかでかくんの初めて抜けた歯です!」
「おーーそれは、すごい!」

つかくんのでかでかくんは、これ。↓

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「記念にとっておいてね。」
「わかりました。大切にしましょう。ただ・・・つかくん。」
「なあに?」
「誠に申し訳ないんですが、これだけだと、誰かがゴミだと思って捨てちゃうかもしれませんから、
すみませんが説明をちょいと書いてもらえませぬかのう。」
「いいよ。紙ちょうだい。」

すらすらっとつかくんが書いてくれた紙を、
でかでかくんの初めて抜けた歯と一緒に色画用紙に貼り付けて、たんぽぽの壁に飾った。

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ロボット管理人よねごんの仕事は、まだ続く。
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by yonegon_gon | 2006-07-02 19:14 | 魔法学校